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深夜にふと誰かに語りたくなったことを書いていくブログ

自分の人生を変えた「高校デビュー」を振り返ってみた

僕が高校生の入学した時、「高校デビュー」という言葉が非常に流行った。今でも流行っているのか知らないけど、当時の僕は高校デビューという言葉が当てはまる学生だった。特に髪を染めたりとか、ピアスを開けたりした訳ではない。とにかくキャラクターが変わった。

 

中学時代の僕は、コンプレックスの塊だった。勉強はそれなりに出来たが、見た目はいけてなかったし、雰囲気も鈍くさい感じ。自分に自信がなく、いつもオドオドしていたり、何も自分で決めれないような人間だった。そして、クラスにいる不良グループの金魚の糞のような立ち位置だった。イジメられてはなかったが、イジられる対象だった。そんな自分自身が嫌いで仕方なかった。今でも覚えているが、当時浴びせられた強烈な一言がある。「お前には全ての面で俺の方が勝っている。」みんなの前で、同級生にそう言われたことが、僕を変えた。自分に対して自信はなかったが、自分を見限っている訳でもなかった。それなりのプライドを胸の内の何重にもロックをした部屋の中に大切に大切に閉まっていた僕は、この言葉の暴力を受けて、薄々は気付いていた事実を太陽の下で明らかにされた気分だった。そう、僕はショボい人間なんだ、と。全ての面で同級生に負けていて、それをみんなの前で宣言されるような社会的地位にいるのだ。

 

それから暫くの間は、いつも頭の中で同級生の言葉がクルクルとまわり続けていた。この不快な感情が常に消えずにいつも悩んでいた。思春期真っ只中の僕は、誰にも相談出来ずに一人で抱え込んでいた。僕はなんてショボい人間なんだ、と。そんな僕を現実逃避させてくれたのが、マンガの主人公たちだった。学校での同級生の発言によって、ヒッキー状態で家で漫画やアニメに没頭していた僕は、主人公を見て、こんな風になれたら、と何度も思った。でも、人は簡単に変われない。同時期に心配した親からいろいろと聞かれたりしたが、思春期の僕は胸の内をシェアすることはなかった。また、うちは共働きで、基本的に朝から晩まで家にいなかったので、話をする機会もあまりなかった。

 

そんな中で、最終的に僕を救ってくれたのは、いとこの兄ちゃん(まぁくん)だった。例年のように、お盆に集まった時、僕の変わり具合に気付いたまぁくんが声をかけてくれて、話を聞いてくれた。まぁくんは、僕よりも10歳くらい年上で、僕からは見た目もカッコよくてお洒落で、女からもモテて、勉強もスポーツも出来る完璧な人間だった。まぁくんがしてくれたのは、「自分を鍛える」ということだった。まぁくんは、僕とは違い、昔からみんなの中心にいた。生まれ持ってのカリスマだった。でも、まぁくんはただのカリスマではなかった。努力をするカリスマだった。教えてくれた内容というのは、とても古典的な話。「自分を鍛える」というのは、心技体の観点から自分を高めていくというものだった。

 

心とは、常に沈着冷静でいるということ。怒らないこと、テンパらないこと。怒らない為には、反射的に反応しないこと。悪意のある言葉を投げかけられたら、常に一呼吸をおいてから、「なぜ、こいつはそんなことをみんなの前で言うのか」と考えてみる。そして、「ふーん。あっそ。」と言って、相手にしない。その場を立ち去ること。まぁくんが言うに、相手にしないことが一番。残念ながら学校という檻の中からはある年齢になるまで抜け出せないが、その環境はいつか終わりがくる。そんな奴の相手をして時間を使うよりも、他のことをすべきとのことだった。また、テンパらない為には、考えすぎないこと、リスクを考えることを言われた。考えても結論が出ない場合は、直観で選ぶこと。その際には、何がリスクなのかだけは把握すること。人間死ななければ、何度でもやり直せるので、たいていはたいしたリスクではない。冷静でいることは非常に強い。対人関係で優位に立てる。そして、人から一目置かれる存在になる。

技とは、論理的な思考と、知識を広げることを言われた。論理的な思考とは、数式的な考え方やピラミッド的な考え方、類推の方法など、中学生の僕にはとても難しい内容だったけど、まぁくんは絵を書いたり、例を出して簡単に教えてくれた。更に知識を広げる為に、異文化を理解すること(僕の住んでいた田舎には、牛や鶏はいても外国人はいなかった)、歴史を学ぶこと、学問に真摯に取り組むこと、つまりは本を読むことを言われた。特に論理的な思考に関しては、非常に大切だった。対人関係の中で、相手になぜを問いつつ、自分でなぜの回答を持っていると非常に優位に立てるようになる。

体とは、筋力や体力をつけることと、格闘技を始めることだった。部活で、ランニングや筋トレはしていたが、本格的な内容は何もやっていなかった。言われた内容を、いかに楽をしてこなすかに集中していたそれまでに対して、自分の意志で筋トレを開始した。特に腕立て伏せや握力など。タンパク質も意識して取るようにした。更に実践的な空手を始めた。それにより、戦うということへの恐怖がなくなった。線の細かった僕の体も、大きくなった。

 

中学に通っていた頃から僕は少しずつ変わり始めていたが、高校に入学して、周りの環境がガラッと変わった時に、僕も変わった。それまでの僕を知っている人もいて、僕の変わり具合に対してネガティブなことを言う奴もいたが、そこは冷静にスルーをするようにした。「それがお前に何か関係があるのか?なぜそんなことを言うのか?」と。回答出来る人間なんていないのは承知の上だ。彼は、僕を落とすことで自分を優位にしたいだけだ。また、僕の外見も影響している。ガタイがよくなったのだ。これが僕の「高校デビュー」だ。彼女が出来たとか、勉強が出来るようになったという話ではないが、僕は大きく変わった。自分に対して本心から自信が持てるようになった。発言もポジティブになったと思う。

 

今でも、心技体を鍛えることは続けている。空手はさすがに辞めたが、筋トレは続けている。